人口減少や過疎化が顕著に進んでいる福井市の越前海岸沿いの5地区(国見、越廼、殿下、鷹巣、棗)で店を構えるガラス細工業、飲食業、宿泊業、漁業、林業など様々な地域事業者たちが、狭い地区単位ではなく、より大きな枠組みで地域の活性化を進めていこうとの思いで「越前海岸盛り上げ隊」を発足。国定公園越前海岸の恩恵を受けた海の幸、山の幸、豊かな暮らしといった地域の宝物を発掘し、より多くの人と分かち合いながら、次世代へ繋げていきたいとの思いで始まったプロジェクトである。設立当初の平成27年度時の隊員は29名、令和4年度は39名となっている。
地域の若手事業者たち自らが自然を感じる体験メニュー(海の体験博覧会「うみたん」)を24種類造成し提供している他、隊員が連携して農家民宿による教育旅行の受入れを実施。さらに、地域に長期的な関わりを持ってくれるファンとの交流拠点を整備する「人の駅」プロジェクトの一環として、古民家をリノベーションして地域交流施設「はりいしゃ」を整備。ワーケーションや移住の受入れ、ギャラリーでのアート企画展・落語会開催、マルシェの開催などを行ってきた。また、付近のお店を紹介する「トレジャーマップ」の作成などにも取り組み、ホームページを中心にSNS等を活用して地域魅力の積極的な情報発信を行い、ローカル情報局Podcast番組「つるつるいっぱい浜ラジオ」の配信にも取り組んでいる。
地域一体の魅力を発信しながら、各隊員が行う体験コンテンツによる人の繋がりを重視した施策を展開することで、越前海岸エリアへの人の流れを創出し、地域経済の活性化や、移住定住の促進による地域振興につなげる活動を行っている。
地域内の様々な事業者が連携し、「面」として産業観光に取り組んでいることが高く評価された。活動によって移住者も増え、さらに活動の幅が広がっており、まさに産業観光による「まちづくり」が行われていることから、他地域への推奨モデルに成り得るとして、銀賞に選定された
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