生野町は近代日本の創成から今日に至る鉱工業の足跡を残す企業城下町である。
2003年から生野鉱山の産業遺産を活用した観光事業化への取り組みを開始し、「鉱石の道」産業遺産ツーリズム・生野推進協議会コンソーシアムを設立した。観光業をはじめ、鉱工業、地域商業、地元金融機関、まちづくり組織など異種の13団体が参加して活動を展開してきた。平成18年には経済産業省の「サービス産業創出支援事業」の採択を受け、コンソーシアムが核となって市場調査とバスツアー等を通じた実証試験を実施している。平成19年には、同じく経済産業省の「近代化産業遺産群33」の認定を受け、遺産・道・町並みなどの全体を活かす事業に大きな励みとなっている。
生野町の産業観光は、近代化産業遺産としての鉱山資源はもとよりだが、平成13年の中心市街地活性化計画を受けて、平成14年のまちづくりTMOの発足を契機に、「銀山まち口番所」「生野まちづくり工房“井筒屋”」など、まちづくりの取り組みを通じた産業観光のへ取り組みが特筆される。その後もチャレンジショップの開設や産品開発、空き店舗活用、人材育成等の事業に取り組む中で、地元の人々の観光振興への係わりを強め、固有のビジネスモデルを構築してきた点が高く評価できる。
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