株式会社 マルト

銀賞:奈良最古の醤油蔵の復活と、泊まれる・食べられる醤油蔵としても再生/株式会社 マルト(奈良県田原本町)

取組内容

 1689年創業、奈良最古の醤油蔵であった「マルト醤油」を復活するため、18代当主の木村浩幸が醤油造りを70年ぶりに復興。所在する「伊与戸(いよど)」集落が醤油の里として認知されていくことを目標に、約70年のあいだ醤油蔵に奇跡的に生き残っていた「菌」を活かした奇跡の醤油とともに、醤油との新たな接点をホテル・レストラン全体で表現している。具体的には、「泊まれる醤油蔵」として、醤油づくりを体感できる宿泊施設に改修し、宿泊客に対し、①お醤油醸造体験(絞り体験)と②地域のストーリーを伝えるための朝参り体験を実施している。①では、醤油蔵でしか体験できない、生の醤油「生揚げ醤油」を絞っていただき、それを夕食で提供。②では、地域の歴史や関わる人々の「物語」を伝えることを大切にし、チェックアウト当日の朝、当主自らが地域のストーリーをお客様に直接お伝えしている。また、レストランでは自家栽培した大和伝統野菜をはじめとする約150種類の野菜を使用し、ここでしか味わえない醤油料理を提供している。ミシュランガイド奈良2022及び2023において、持続可能なガストロノミーに対して認定するグリーンスターを2年連続で獲得するなど高い評価を得ている。さらに、地域住民を主体とした採用を行うなど、地域循環型の宿泊・飲食事業として、地域への経済的循環(仕入、従業員雇用)が進んでいる。


評価のポイント

 日本の醸造文化を代表する醤油は海外からの注目度も高く、醤油蔵の宿泊施設としての活用はユニークであり、日本の宿の新しい可能性を拓いた試みであることなどを評価した。また、今後、醤油の里としての認知度を高め、さらなる地域全体への経済波及効果を生み出す取組に期待して、銀賞に選定した。

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蔵元ならではの醤油づくり体験

<蔵元ならではの醤油づくり体験>

70年ぶりに復活した天然醸造醤油

<70年ぶりに復活した天然醸造醤油>

元禄2年創業の醤油蔵に泊まる

<元禄2年創業の醤油蔵に泊まる>

搾りたての醤油で醸す料理

<搾りたての醤油で醸す料理>