取組内容

　越前市では、クリエイターやデザイナーなどの「トッププロ層」をメインターゲットに据え、市内及び周辺地域にある５つの伝統的工芸品（市内：越前和紙、越前打刃物、越前箪笥、市外：越前漆器、越前焼）をメインコンテンツとした産業観光に取り組んでおり、手仕事・伝統工芸に触れられる機会を、「産地訪問型」と「集合イベント型」 の２通りの方法で提供している。前者は、工房見学や製作体験をプログラム化して提供する方法であり、「本物の仕事場」への訪問と「本物の職人」との交流にこだわった本物志向の上質なプログラム作りに加え、見る順番を最適化したストーリー性のある２～３時間程度のモデルコース作りに取り組んでいる。さらに、参画事業者に対し見学・体験の原則有償化を働きかけ、提供するコンテンツの質とともに来訪者の質もアップさせることで、持続的な産業観光のための環境づくりを進めている。後者では、市内の大型会場に手仕事関連の事業者を一堂に集め、展示・販売を行い、体験・交流を促す「千年未来工藝祭」というイベントを平成30年から毎年８月末に開催しており、伝統産業を新産業として捉え直し、同時に越前ブランドの創造、シビックプライドの醸成等を目指している。また、タクシー事業者５社と連携し、点在する工房や市内の観光施設等をつなぎ、定額500円で利用可能なサービスを通年で実施するなど、来訪者の利便性向上に資する取組も行っている。

評価のポイント

　様々な事業に段階的かつ戦略的に取り組み、総合的に地域の産業観光の魅力を高めている。参画事業者へのフォローアップや、タクシー事業者と連携しての二次交通課題の解決などにより、地域全体での取組に拡大している。地域の産業観光に対するコーディネート力の高さや、その積極的な姿勢などを評価し、金賞に選定した。

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