北九州産業観光センター

金賞:北九州産業観光センター(福岡県北九州市)

概要

北九州市では、1901年の官営八幡製鐵所操業から100年以上経った現在でも、「ものづくり」の精神が脈々と受け継がれており、世界をリードする企業が市内に点在している。また、環境未来都市として先進的な取り組みが行われている。
重工業から身近な生活製品まで多彩な企業の製造現場や、環境関連産業の見学ができ、蓄積された産業の歴史や遺産を知ると同時に、日本の最先端の技術を肌身で感じることができる。そのため、北九州市では産業観光を観光の切り札として位置づけ、北九州市ならではの観光素材として活用することで、地域経済の活性化を図っている。その主要コンテンツは次の四つ。

(1)ものづくりの現場を見学する「工場」、産業の歴史を知る「資料館」
大規模製造業(鉄鋼、化学など)から、最新鋭の機械設備(自動車、ロボット)、生活に身近な製品(石けん、衛生陶器など)まで、事業規模の大小を問わず、バラエティに富んだ工場、産業資料館など50以上の協力事業者がある。
(2)“夜の産業観光”「工場夜景」
バスやクルージングを活用し、さまざまな工場夜景観賞ツアーが催行されている。宿泊客増に向けた取り組みでもある。
(3)他都市にはない「環境修学旅行」
官民一体で公害を克服し、環境未来都市となった北九州市の強みを活かし、さまざまな環境学習素材をコアとした「環境修学旅行」が実施されている。市内の大学生が「環境修学旅行ガイド」として、公害克服から環境未来都市までの歩みについて説明する独自サービスも行われている。
(4)わが国初「稼働中」の世界文化遺産登録を目指す産業遺産を含む近代化産業遺産
国際貿易港や石炭、官営八幡製鐵所の関連遺産をはじめ、市内各地に多彩な近代化産業遺産や文化財が点在する。また、官営八幡製鐵所の旧本事務所・旧鍛冶工場・修繕工場の3施設が「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産として、日本初となる稼働中の世界文化遺産を目指している。

評価

・わが国の産業観光発祥地の一つであり、その取り組みの歴史は長い。今回、行政・商工会議所・観光協会が連携して発足させたワンストップ型の北九州産業観光センターの設立は、産業観光推進の手法としても出色である。
・どちらかというとマイナスのイメージを持たれがちな工場を逆転の発想で観光資源として、バスやクルージングを活用し、様々な角度から工場夜景を鑑賞するツアーをはじめ、「着地型」の産業観光ツアーなどが、地元の旅行会社や船会社などにより催行され、多くの観光客が参加されている点が評価される。
・公害という負の側面にも目をそらさず、官民一体で公害を克服し環境未来都市として、環境関連産業をコアとした環境教育への取り組みは高く評価される。
・宿泊を伴う観光戦略等、北九州独自の戦略が明確であるが、今後は回遊型の魅力を向上させるなど、市内の資源力をさらに活用し、日本の産業観光を牽引する存在になることを期待したい。

クルーズ船(北九州市)

<クルーズ船(北九州市)>

安川電機(北九州市)

<安川電機(北九州市)>

三菱化学(北九州)

<三菱化学(北九州)>

産業遺産(旧松本邸)

<産業遺産(旧松本邸)>