公益社団法人やまなし観光推進機構

経済産業大臣賞:やまなしワインツーリズム/公益社団法人やまなし観光推進機構 (山梨県甲府市)

取組内容

 ワインの生産量日本一を誇り、「ワイン県」とも称される山梨県で、「ワインツーリズム」の先駆けとなったのは、ブドウ畑の景観を守るために昭和62年に設立された「勝沼ワイナリーズクラブ」の取組であった。蔵の整備を行ったのをきっかけに、少しずつお客様を呼びワイナリー見学や試飲が行われるようになり、「ルバイヤートワイナリーコンサート(蔵コン)」や「ブドウ栽培クラブ」などの取組に発展していった。平成20年には、お客様を地域に迎える組織(一社)ワインツーリズムの事業「ワインツーリズムやまなし」が始まり、本格的な呼び込み体制が動き始める。さらに、平成28年には県内ワイン生産の8割を担う峡東地区(山梨市、笛吹市、甲州市)に「峡東地域ワインリゾート推進協議会」が設立された。行政、地域の観光協会、レストラン、ホテル・旅館、ワイナリー団体、交通機関、農業関係団体などの関連するあらゆる組織との有機的なネットワークを構築し、サービスの向上に取り組んでいる。この組織を中心に、ワインを核に多くの来訪者が地域の魅力を体感・堪能できる周遊・滞在型観光地を実現させる事業を実施している。
 コロナ禍前の令和元年、山梨県の観光消費額は過去最高値であったが、ワインツーリズムの取組は、県全体の観光消費額に大きく寄与している。ブドウからワインに、そしてそれを提供する過程で付加価値が生まれ、さらに来訪者が飲食、宿泊を行うことで県内での消費は大きくなる。地域振興の観点では、このように付加価値が生まれて、元のブドウから10倍の価値となっていくことが重要と考えている。付加価値を高めることを重視した取組を進めることで、1人当たりの観光消費額はコロナ禍であっても増加している。

評価のポイント

ワイナリーだけでなく、地域の事業者が協力して、地域全体でワインツーリズムを支えており、全体的な広がりが見られることや、ワインが生み出す「付加価値」に重点を置き、事業性の高い取組が行われていることが評価され、経済産業大臣賞に選定された。

詳細はこちら

①勝沼醸造テラス

<勝沼醸造テラス>

②勝沼醸造のワイナリー

<勝沼醸造のワイナリー>

③甲州ブドウ

<甲州ブドウ>

④「風のテラスKUKUNA」にて

<「風のテラスKUKUNA」にて>