一般社団法人岩見沢市観光協会

銀賞:一般社団法人岩見沢市観光協会(北海道岩見沢市)

産業観光の活用の経緯と現状

北海道岩見沢市を中心とした「空知(そらち)地区」には、現在10軒のワイナリー、ヴィンヤードがあり、今後もワイナリーオープンや新規就農者が見込まれ、 ワインブームが盛り上がりつつある。観光素材としては、ワイナリーでの試飲や直売所限定ワイン購入の楽しみは勿論のこと、南フランスを彷彿とさせる 「ぶどう畑」の景色も良く、映画の撮影舞台となったワイナリーもある。
このような点在する小規模ワイナリーを基軸として、そらち地区の観光素材を多くの方に周知し、気軽に訪問していただき、さらにワイン関連だけでなく、 地域の食材、観光資源を広くPRして観光振興に繋げるべく、ワインツーリズムとして「そらちワイン&フード タクシー」事業を平成28年度より開始している。 ワイナリーへ向かう道路は狭く分かり辛いが、タクシーであれば迷わず、ワイナリー訪問時の楽しみでもある「試飲」を全員で楽しめ、効率的に観光できる。 また、地元住民であるタクシードライバーからガイドブックでは知り得ない地元情報を得られるなど、お客様のニーズに対応可能なオリジナル観光の提供を心掛けている。
今回、北海道観光振興機構の助成金を活用して、非常にお得な貸切タクシー代金を設定し、話題性を創出した。 平成28年度は非常に評判が高く、2年目の継続実施に繋がった。本ツアーを起爆剤として、そらちワインのブランド確立を図り、観光地として全国へと発信して いくことを推進している。タクシードライバーの定期的な学習会の開催によるおもてなしレベルの向上、観光による国内外のマーケット拡大や地元市民の意識改革も 意図した協会Webサイトの一新、動画作成等、官民一体となった観光振興に取り組んでいる。

評価

・ワインを軸にした地域産業として、既に高い評価を積み重ねてきており、新規就農者等の増大等、地域貢献度も高く、インバウンドの期待に応えられる事業として評価したい。観光客のリピーター率、満足度も高い。
・北海道空知地方というと山側の旧産炭地のイメージが強いが、近年は農地エリアのワインの評価も高く、将来性のある取り組みである。
・ワインを観光資源としてとらえ、タクシー業界、各ワイナリーとの連携による展開は評価できる。一方で来訪者の約8割が道内のため、さらなる広域からの誘客や、助成制度終了後の料金設定に注目したい。また、ワインは毎年定期購入する根強い顧客層も有するため、来訪を機に旅後のWebサイトによる物産購入等、経済波及効果にも期待がもてる。
・プロモーションツールであるガイドブックが逸品であり、各ワイナリーのこだわりが感じられる。

ワインタクシー&畑(宝水ワイナリー)

<ワインタクシー&畑(宝水ワイナリー)>

宝水ワイナリー 醸造所&ショップ

<宝水ワイナリー 醸造所&ショップ>

山﨑ワイナリー ぶどう畑

<山﨑ワイナリー ぶどう畑>