トップページNEWS一覧>記事

 

 NEWS

2023.4.13

【D-NEXT】地域の合意形成を支援 「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
④おおすみDMOにおけるワークショップ1の実施方法の検討および開催報告

1.ワークショップ1の実施方法の検討

 今回は、株式会社おおすみ観光未来会議(以下、「おおすみDMO」と記します)で行ったワークショップ1(アンケート調査及びリアルタイムでの調査結果の共有)実施方法の検討、策定についてご紹介いたします。以下はNEXT FACTOR社(以下、「NF社」と記します)が行っているワークショップ1の基本的なフレームワークです。こちらをもとに、おおすみDMOの状況に合わせたワークショップ1の開催方法を検討するため、おおすみDMO、NF社、日本観光振興協会の3者で打ち合わせを行いました。なお、昨年度から始めた分析レポート形式につきましては、すべてのDMOが、URLのみにて調査を実施しました。


 おおすみDMOはワークショップ1の開催方法として、会場にてライブ調査に参加する方法と調査対象期間中にインターネットまたは紙の調査票にて回答する方法を選択しました。
 ライブ調査日程は12月8日の1日間を予定し、12月1日にNF社との3者打ち合わせを実施しました。
 まず、NF社よりアンケート調査を行うための「Mentiシステム」を起動し、画面イメージを共有し、質問と回答の仕方を検討しました。
 また、ワークショップ1の進行方法について、おおすみDMOはシナリオを作成し、NF社と役割分担や段取りについて事前に打ち合わせを行いました。その結果、冒頭のDestination-NEXT(以下、「D-NEXT」と記します)の概要説明はおおすみDMOが行うことに決まりました。アンケート調査の回答結果については、12の変数ごとに、NF社から簡単な分析とアドバイスをいただき、おおすみDMOが逐次通訳にて、参加者へリアルタイムで伝えることを重視しました。

(1)調査の回答方法について

 D-NEXT 調査は、「観光地としての強み」と「地域における協力関係」の12の各変数*が、県の観光振興にとってどの程度重要であるかを評価する設問と、各変数に関連づいた項目が、地域の現状にどの程度当てはまるかを評価する2通りの評価方法から構成されおり、前者をRelative Importance(以下、「RI」と記します)、後者をPerceived Importance(以下、「PP」と記します)と表現しています。
*参照:【D-NEXT】地域の合意形成を支援「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」 ③おおすみDMO、分析レポート版4DMOにおける調査項目の追加及び調査対象者の検討

 調査の実施方法を検討するにあたり、日本観光振興協会からおおすみDMOに対して、変数の重要度を図るRI(パート1と3)の調査対象者は、観光に詳しい方々が望ましく、あまり観光に馴染みのない方々の評価が加わることにより、現状に即した調査結果を得られない可能性がある。その為、RIの回答者を分けた方が良いのではないかとアドバイスをしましたが、おおすみDMOは、RIの回答者は、すべての方の意見をお伺いしたいとのことでしたので、全参加者から回答を得ることとしました。
 調査方法については、以下となります。

調査対象者 回答項目 調査方法
全ての参加者

・RI(各変数の重要度を評価する質問)
・PP(各変数に関連する地域の現状評価をする質問)
・おおすみDMOの追加質問

・当日ライブ会場にて回答
(URLまたは紙の調査票)
・会場には来場せず、調査対象期間中にURL
(または紙の調査票)から回答


(2)調査の依頼方法について

 調査の依頼については、おおすみDMOから、D-NEXTの概要と回答方法を記載した依頼文書を送付しました。確実に参加していただきたい有識者には、行政や観光協会の担当窓口の方から直接お伝えいただくよう依頼をし、また、議員へは各市町村の担当部署に中継してもらうなど、多くの方に参加していただくための様々な工夫が見受けられました。

2. ワークショップ1の開催報告

 おおすみDMOは、このアンケート調査を通じて観光関連事業者のみならず、他産業の事業者や各市町行政機関を含めた、幅広い関係者の方に「おおすみDMOエリアの観光地意識の醸成」と「地域内での協力関係」を伺い、その調査結果を共有しながら、今後の観光地域づくり戦略に活用するとともに、より地域の皆様の満足度向上につながる施策に役立てるために以下の通りD-NEXTのワークショップ1を実施しました。

2-1. 実施概要
実施日 2022年12月8日(1日間) 10:00~12:00
会場

さつき苑

参加人数

17名(リアル)+5名(オンライン)


2-2.ワークショップ1の全体スケジュールおよび実施方法
 おおすみDMOは、開会後、スムーズに調査へ移行できるよう、会場へ到着した参加者に対し、机上に配布したwifiスポットのID・パスワードにて、順次インターネットへ接続していただくよう、受付時および会場内アナウンスにて促す方法を取りました。

 (1) DMOから開会挨拶、DMOの活動紹介、D-NEXTの実施意義について説明
 (2) D-NEXTの概要説明、NF社の紹介およびポール氏、デイネット氏から自己紹介
 (3) アンケート調査第1部(観光地域の強みについて)
  ① 回答方法、実施の注意事項、調査の流れについて説明
  ※参加者は受付時に配られたQRコードをスキャンし、回答システムへログイン。
 (紙での回答も可能)
  ② 変数ごとにNF社が質問事項を説明→DMO側が通訳し、質問の意図等を説明
  ③ 参加者がシステム上で回答
  ④ 変数ごとにNF社が結果をスクリーンに表示しコメント→DMO側が逐次通訳
  ⑤ 次の設問へ(12の変数分繰り返し)
  ⑥ 最終質問の後、NF社が結果をまとめてスクリーンに表示しコメント →DMO側が逐次通訳
 (4) 休憩
 (5) アンケート調査第2部(観光地域の連携について)
 流れは(3)アンケート調査第1部と同様
 (6) 全ての調査終了後、NF社ポール氏から総括コメント→DMO側が通訳
 (7) DMOから事務連絡
(ワークショップ参加の御礼、今後の調査プロセスの共有、調査結果のエリアでの共有に関して)

2-3.ワークショップ1の具体的な内容

(1)おおすみDMOの事業とD-NEXT実施に至った経緯について
 まず、おおすみDMOの山下代表から、同DMOの実施事業の内容や今回のD-NEXT実施趣旨等について説明いただきました。おおすみDMOは、地域連携DMOとしてエリアミーティングやデータマーケティング等の事業を通じて、おおすみDMOエリアの地域づくりに取り組んでおり、DMO登録からちょうど5年目を迎える中で、現在のDMOとしての状況を客観的に分析し、多くの関係する方々との合意形成のもと、目指すべき方向を共有して、観光地域づくりを促進させたい旨をお話しいただきました。

(2)D-NEXTを活用したアンケート調査の実施
 おおすみDMOより、回答方法、注意事項および調査回答の流れについて説明をしました。参加者には、受付時に配布したアンケートシステムのQRコードをスキャンし、ログインするよう案内がありました。その後、NF社のデイネット氏が、全ての参加者が、回答者情報を入力したことを確認し、調査が開始されました。

(3)おおすみDMOによるコメント
・当初、NF社との通訳のタイミングが合わずに苦労したが、次第に要領を得て、改善された。次回は戸惑うことがないように、NF社と綿密にワークショップの流れを確認していきたい。
・ 調査には、都合が悪く参加できなかった方にも、現状と課題を共有し、なるべく多くの人に、現状と今後の進むべき方向を理解してもらうようにしたい。
・まだ、最終的な集計分析結果は出ていないが、今回のワークショップ1からでも、参考になる気付き・情報が多く見つけられた。
 例えば、地域ごとに参加者の構成が変わること(関心を持つ関係者の構成が違う)。地域が強みや課題と思っていることがその土地の特徴を表していること。
 来年度の事業計画に関しては、今回の調査結果と合わせて関係者に共有し、その意図・各施策の目的などを丁寧に説明することで、新しい年度は、当初から共通の認識を持って、各種取り組みを進められるよう準備をしていきたいと考えている。

■ワークショップ1の様子
会場の様子
会場の様子

会場の様子