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2022.2.17

【観光危機管理・事業継続力強化研究会 モデル地区事業事例のご紹介】
~地域一体で取り組むBCP普及のためのモデル構築事業~ ③

(~地域一体で取り組むBCP普及のためのモデル構築事業~ ②から続く)

事業者ワークショップ (2021年11月10日・11月26日)について



 支援人材セミナーの翌日、支援人材の方々に加えて、地域の事業者(宿泊・交通・観光施設・飲食)の方々も参加し、2日間取り組んだワークショップの内容について、まとめてご紹介します。

■ワークショップ1日目(11月10日)
 ワークショップの1日目では、支援人材セミナーと同様に、事業者の方々も「観光事業者におけるBCPの理解」について、高松講師からの解説により、認識を共有しました。
 その後は、支援人材の方とペアを組んで、各施設業態のモデルBCP案の記入例を参考にしながら、素案を作成していく方法について、ワークショップを中心に取り組みました。
 高松講師からは、災害・危機を想定することが一丁目一番地である、という話があり、ワークでは模造紙を使いながら、地域における災害・危機の想定を洗い出し、自社施設に与える影響等を考慮し、対処すべき災害・危機の優先度を分類していきました。

模造紙を使って災害・危機の優先度を分類 模造紙を使って災害・危機の優先度を分類
模造紙を使って災害・危機の優先度を分類

 地域性から、地震および地震による津波による被害を想定する例が多くみられました。
ペアを組んだ支援人材の方からは、「日頃から事業者が行っている活動や取り組みは、地域の独自性があることを実感した」「お客様や従業員の安全安心の確保はもとより、有事の際に、地域の事業者として地域の被災復興にいかに貢献できるか、という観点も加味されているところがあった」など、一緒に取り組んだ中での感想がありました。

■ワークショップ2日目に向けた事前課題
参加した事業者の方々は、約2週間後のワークショップ2日目に備えるため、下記の事前課題に取り組みました。
・1日目で各事業者が優先して想定した災害・危機の規模やレベルをさらに具体化する
・災害・危機の発生によって、誰に、どこに、どんな影響が起こるのか、具体的に想定する
・自社のBCPモデル素案をできるところまで作成してくる
(一人で考えずに関係者を巻き込んで)

■ワークショップ2日目(11月26日)
 約2週間の期間を経て行われたワークショップの2日目では、まず冒頭に、事前課題の取り組み結果を発表し合い、下記のようなコメントが共有されました。
 ・自社でBCPは策定していたが、お客様の避難対応やケガの対応想定など、もっと具体化しておくべき要素に気づいた
 ・災害時の対応方針を地域の行政と共有しておくことも大事であると認識した
 ・関係者を巻き込んだ議論の時間が取れず、担当レベルで策定することの限界を痛感した
 ・定期で行っている避難・災害訓練においても、内容を見直す必要性があると考えた
 以上の振返り内容を踏まえて、各社のBCP案を進化させるべく、ほぼ終日にわたってワークショップに時間を割きました。 参加事業者は支援人材とともに、できる限りのところまでBCP案の作成に励み、2日間の事業者ワークショップを終えました。
 終了に際し、高松講師と観光危機管理・事業継続力強化研究会の事務局より、コメントが共有され、全3日間のセミナー・ワークショップが終了しました。

■高松講師より
 今回のモデルBCP案をたたき台として、自社内においてさらに進化させていき、自社版のBCP策定に活かしていただきたいですし、支援人材の方々におかれては、鳥羽地域内の事業者によるBCP作成に関与し、引き続きのサポートを是非お願いしたい。

■観光危機管理・事業継続力強化研究会より
 今回のBCPモデル案は、本研修内での活用に留まらず、今後は全国の事業者様に使っていただけるよう、今回の研修内容での活用を踏まえてブラッシュアップをしていく予定です。