特別賞:海洋教育を通じたSDGsと観光 -里海・里山の自然と共存する観光まちづくり-/一般社団法人備前観光協会・一般社団法人みんなでびぜん(岡山県備前市)

取組内容

 「みんなでびぜん」の活動のルーツは昭和60年ごろから日生町の漁師たちが取り組んだ「アマモ場再生活動」に遡る。「アマモ」とは魚の産卵の場や稚魚のすみかとなる海草で、細く長い葉の大群「アマモ場」は「生命のゆりかご」と呼ばれている。しかし、高度経済成長による工業廃水や魚の乱獲などにより、日生の海は最盛期に600ha近くあったアマモ場が10ha程度に大きく減少した。直ちに日生町漁業協同組合は自主的なアマモ場再生を開始。アマモの種を回収し、再び海にまいて育てる活動を開始した。漁師の高齢化などで人手不足に陥ってからは、地元の中学生が「海洋学習」「環境学習」としてアマモ場再生に取り組むなど、地域全体で活動を支えてきた。こうした取組が母体となり、漁協、農協、商工団体、観光団体、企業、まちづくり団体、自治会、NPO、小・中・高・大学生などの様々な団体が目的を共有し、様々な事業を検討、展開していく組織として、一般社団法人「みんなでびぜん」が誕生した。
 「みんなでびぜん」では、日本財団が推進する渚の交番プロジェクトのもと日生諸島の頭島に令和3年9月にオープンした「ひなせうみラボ」の運営を行っている。「ひなせうみラボ」のコンセプトは「子供たちを海へ」であり、地元の食材を使ったレストランや土産店が入る他、海洋教育・海洋研究も実施しており、アマモ場の見学や種まき体験、海ごみを利用してハーバリウムを作るアートクラフトなど、多様な体験プログラムを提供している。子どもたちが「海ばなれ」している現状を改善するため、主に子ども達と親を対象とした海に対する関心や好奇心を高める活動を行い、次世代を担う子ども達が海をより「自分ごと」として捉え、未来へ引き継ぐ行動の輪を広げる拠点となることを目指している。

評価のポイント

長年の海洋保全の活動が地域一体に波及し、「みんなでびぜん」の名の通り、地域全体でSDGsに寄与する活動を行っていること、「ひなせうみラボ」を拠点に、子どもたちへの教育に重点を置き、未来につながる産業観光を実施していることから、今後への期待を込めて、特別賞に選定された。

詳細はこちら

日生諸島の美しい景観

<日生諸島の美しい景観>

アートクラフト

<アートクラフト>

アマモ場

<アマモ場>

ハーバリウム

<ハーバリウム>