DMOを担う人材研修プログラム

カリキュラム ー基礎編ー

❸ 財源確保(目的税先進事例)

■プログラムの概要

【概要】

日本版DMO がマーケティングに基づき、戦略的なプロモーション活動を行い、継続的な観光地域のブランディング強化を進めていくためには、安定的な独自財源の存在が必須である。海外のDMOにおいては宿泊税やTID財源などを安定的な財源としており、その手法がそのまま日本に当てはまるわけではないが、学ぶべき点も少なくない。
 まずは、観光推進組織の現状と課題を確認した上で、目的税を中心とした観光財源の特性を学び、その中で入湯税の超過課税による安定財源を確保した北海道釧路市の実践的事例を理解する。そして自らの観光地域において望ましい、あるいは可能性のある財源確保の手法について検討し、その導入にあたっての課題や展望について学ぶ。

【履修科目】

1.観光推進組織の課題と展望
2.「観光地経営」と観光財源の確保
3.先進地域事例報告(入湯税超過課税の導入事例)

■プログラムの狙い

自らの地域における観光推進組織の財源の現状を把握し、また内外の独自財源確保の取り組みを理解した上で、独自財源の確保に向けた課題を整理する。

■プログラムの目標

観光財源の全体像を理解し、自らの地域の観光推進組織において導入可能な独自財源の確保に向けて取り組む中核人材を育成する。

■研修プログラムスケジュール

時刻 種別 講義の概要 進め方
9:30 基礎編 ○1.観光推進組織の課題と展望(15分)
*参加者の課題意識の共有(45分)
座学 報告
10:30 実践編1 ○2.「観光地経営」と観光財源の確保(45分) 座学
11:15 実践編2 ○3.先進地域事例報告(60分)
(北海道釧路市における入湯税超過課税の導入事例)
座学
12:15 昼食休憩
13:00 実践編3 *参加した観光推進組織(日本版DMO候補法人)における独自財源を各自が検討し、要望書・企画書・提案書の素案を作成。タイプ別のグループ内で発表し、モデル組織を選定。モデル組織の独自財源導入についてさらにメンバーでブラッシュアップして発表する実践的な学習
①各自が「自らの観光推進組織の独自財源」導入にあたっての要望書・企画書・提案書(素案)を作成する(40分)
②①をグループ内で発表し、モデル組織を選定。さらにメンバーで要望書等のブラッシュアップのための議論を行う(60分)
③メンバー全員で「(モデル地域での)導入にあたっての要望書・企画書・提案書」を完成させる(50分)
-民間から行政へ
グループワーク
15:30 プレゼンテーション *各グループの代表による要望書・企画書・提案書の発表
*参加者によるコメント・評価を実施
発表
質疑応答
16:45 講評 講師による講評 座学
17:00 終了 アンケートを実施

※適宜休憩あり/○:講義、*:発表・報告・ディスカッション

■履修科目詳細
【科目1】観光推進組織の課題と展望

No 概要 トピックス
1-1 観光推進体制のあり方 ・地域における観光推進組織・体制の構造
・地域が抱えている課題
1-2 独自財源の可能性 ・指定管理や運営受託、会費収入、スポンサー収入、物販事業収入、旅行業収入、独自の工夫等

【科目2】「観光地経営」と観光財源の確保

No 概要 トピックス
2-1 「観光地経営」の重要性とその定義 ・「開発」から「管理運営」の時代へ
2-2 「観光地経営」に必要な4つの組織的活動と8つの視点 ・4つの組織的活動と8つの視点について
2-3 観光財源の現状とその体系 ・地域の観光財源の体系(自主財源/依存財源)
2-4 法定外税の概要 ・法定外税の必要性と位置付け、事例紹介(太宰府市、富士河口湖町、東京都)
・宿泊税の果たす役割と今後のあり方

【科目3】先進地域事例報告(入湯税超過課税の導入事例)

No 概要 トピックス
3-1 入湯税の概要と現状 ・入湯税が導入された時代背景と現状
3-2 入湯税の超過課税と基金化の具体的な事例 ・事例紹介(美作市、鳥羽市)
3-3 入湯税の超過課税の取組① ・釧路市・阿寒湖温泉での取組事例(阿寒湖温泉の現状と課題)
3-4 入湯税の超過課税の取組② ・釧路市・阿寒湖温泉での取組事例(超過課税の検討から導入までの経緯)
3-5 入湯税の超過課税の取組③ ・釧路市・阿寒湖温泉での取組事例(使途と官民連携の検討体制)
3-6 観光財源の確保に向けて ・法定外税新設の要件等

■プログラム策定にご協力頂いた有識者、講師の皆様

<講師プロフィール/スライド提供>
岩崎比奈子(IWASAKI Hinako)
公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 主任研究員
1994年4月、財団法人日本交通公社研究員、2006年6月、主任研究員、2013年4月-16年3月 (株)JTB総合研究所へ出向、同年4月より現職。

山田 雄一(YAMADA yuichi)
公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 次長 主席研究員/博士(社会工学)
1998年10月、財団法人日本交通公社研究員、2002年6月、主任研究員、2013年4月観光文化研究部次長、2014年11月、経済産業省観光チーム調査企画官(派遣)、2016年8月、観光政策研究部次長、現在に至る。

梅川智也(UMEKAWA Tomoya)
公益財団法人日本交通公社 理事/観光政策研究部長、筑波大学大学院客員教授
1981年4月、財団法人日本交通公社(調査部 観光計画室 研究員)入社、1996年2月、地域計画室長・主任研究員、2003年6月、研究調査部次長、2005年6月、研究調査部長、2013年6月、理事・研究調査部長、2013年10月、理事・観光政策研究部長、現在に至る

<参考図書・データ>
・『観光地経営の視点と実践』2013年、丸善出版(共著)
・『観光まちづくり~まち自慢からはじめる地域マネジメント』2009年、学芸出版社(共著)
・『観光まちづくりのマーケティング』2011年、学芸出版(共著)
・「温泉地における安定的なまちづくり財源に関する研究-入湯税を中心として-」
 2015年、梅川智也・吉澤清良・福永香織、『観光研究』、日本観光研究学会

   

❹顧客管理(顧客満足・リピーター対策)>>