DMOを担う人材研修プログラム

カリキュラム ー応用編ー

❸ 財源確保(DMOの財務基盤の確立にむけた取組)

■プログラムの概要

【概要】

 DMOには、単なる観光振興にとどまらず、地方創生・地域活性化のコアとして機能していくことへの期待も寄せられている。そのためには、事業の継続性を確保することが重要であり、財務基盤を確立することが求められる。
 本プログラムにおいては、DMOに求められている真の目的について確認をした後に、財務基盤、そしてその一つである収益事業とはどのようなものがあるのかについて、特に近時注目を集める地域商社機能も踏まえながら考察し、それを地域で設計していく技能の修得を図る。

【履修科目】

科目1. 「DMOの真の目的とそれを担保する財務基盤と収益事業」
科目2. 「物販業等における収益事業の検討1」
科目3. 「物販業等における収益事業の検討2」
科目4. 「物販業等における収益事業の検討3」
科目5. 「地域事例研究 DMOの事業活動と収益」

■プログラムの狙い

・DMOの継続的な活動を支える財務基盤(税、会費、収益事業等)と特性を整理するとともに、財源を安定して確保していくためにDMOが行う活動について考察する。
・ワークショップや地域事例研究を通じて、特に特産品開発・販売等の地域商社機能による収益事業の可能性を考察する。

■プログラムの目標

・DMOの財務基盤としての選択肢と、それを選択する際に必要となる利点・不利点を理解し、各地域の実情に合致した最適な基盤を確立する技能を修得する。
・収益事業に求められるマーケティングでの実践的アプローチを修得する。
・ワークショップおよび地域実務者とのディスカッションを通じて、修得した能力の実務応用について、事例を通じて修得する。

■研修プログラムスケジュール

時刻 種別 講義の概要 進め方
10:00 オリエンテーション 「オリエンテーション」
・研修の狙い、進め方の説明
10:05 基礎編 「DMOの真の目的とそれを担保する財務基盤と収益事業」 座学
11:00 実践編1 「物販業等における収益事業の検討1」
・収益化できる観光資源の洗い出し
・同売上高把握
・地域観光ストーリーとのシナジー確立
個人ワーク
11:30 実践編2 「物販業等における収益事業の検討2」
・グループワークにて各個人作業を検証し、理解の深化を図る。
グループ ワーク& 討議
12:00 昼食休憩
13:00 実践編3 「物販業等における収益事業の検討3」
・グループ毎に1ケースを発表
・全体ディスカッションを通じ理解の更なる深化・定着を図る
発表
14:00 実践編4 「地域事例研究 DMOの事業活動と収益」
・事例1 DMOが地域の収益事業をサポートする事例
      金沢市観光協会
・事例2 DMOが収益事業に取り組む事例 
      長崎国際観光コンベンション協会
・財務基盤確立・収益事業展開での工夫・課題等
・全体ディスカッション
討議
15:50 講評 講師による講評
16:00 終了 ・アンケート記入

■履修科目詳細
【科目1】「DMOの真の目的とそれを担保する財務基盤と収益事業」

No 概要 トピックス
1-1 DMOで追求する真の成果 地域振興にて観光を重視する理由を確認した上で、DMOで追求する真の成果である、地域インフラの再構築、観光振興の継続性の確保、観光関連事業者の活性化と再編について解説する。
1-2 DMOの設計ポイント DMO設計時に重要となる検討要素として、方向性、役割、コンテンツ、マーケティング・ターゲティング、マーケティング・プロモーション等について解説する。
1-3 DMOの財務基盤 DMOの財務基盤として、会費、公的助成、業務受託、観光施設整備基金、地域賦課金について解説する。
1-4 DMOの収益事業 DMOの収益事業として、旅行業、イベント業、物販業について解説する。

【科目2】「物販業等における収益事業の検討1」

No 概要 トピックス
2-1 観光資源(特産品・サービス)の洗い出し 個人作業として、収益事業化が図れる特産品・サービスを列挙し、それぞれのフィージビリティを検討する。
2-2 観光資源(特産品・サービス)の売上高把握 個人作業として、観光資源毎に単価、販売量、継続性による3要素にて売上高を考察する。
2-3 観光資源(特産品・サービス)の競争力/差別化要因の把握 個人作業として、観光資源毎に継続性の基礎となる競争力・差別化要因を考察する。
2-4 地域観光ストーリーの作成 個人作業として、観光資源の価値をターゲットに訴求させるストーリーを作成する。

【科目3】「物販業等における収益事業の検討2」

No 概要 トピックス
3-1 観光資源(特産品・サービス)の洗い出し グループワークにて各個人作業を検証し、理解の深化を図り、グループとしてのプレゼンケースを1つ作り上げる。
3-2 観光資源(特産品・サービス)の売上高把握 同上
3-3 観光資源(特産品・サービス)の競争力/差別化要因の把握 同上
3-4 地域観光ストーリーの作成 同上

【科目4】「物販業等における収益事業の検討3」

No 概要 トピックス
4-1 観光資源(特産品・サービス)の洗い出し グループ毎に1ケースを発表、全体ディスカッションにて、理解の更なる深化・定着を図る。
4-2 観光資源(特産品・サービス)の売上高把握 同上
4-3 観光資源(特産品・サービス)の競争力/差別化要因の把握 同上
4-4 地域観光ストーリーの作成 同上

【科目5】「地域事例研究 DMOの事業活動と収益」

No 概要 トピックス
5-1 DMOが地域の収益事業をサポートする事例 地域資源の保全指向かつ既存事業者調整型にて高い実績を有する金沢市観光協会より、自身の取り組みを紹介する。
5-2 DMOが収益事業に取り組む事例 地域価値の向上指向かつ新規事業推進型にて高い実績を有する長崎国際観光コンベンション協会より、自身の取り組みを紹介する。
5-3 財務基盤確立・収益事業展開での工夫・課題等 2つのパターンの異なるDMOに対する質問・回答を通じて、財務基盤確立と収益事業展開での実務的内容を解説する。
5-4 全体ディスカッション 受講生を交えたディスカッションにより、受講生のニーズに合致した実践的ノウハウを提供する。

■プログラム策定にご協力頂いた有識者、講師の皆様

<講師プロフィール/スライド提供>
中村 郁博
株式会社日本政策投資銀行 地域企画部課長
1994年 日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行
2004年 米国ニューヨーク大学大学院修了
東北支店東北復興支援室課長、アセットファイナンス部課長、都市開発部課長、 (株)日本経済研究所地域振興部長などを経て、2017年4月より現職 
経済同友会地方創生にむけた実態調査ワーキングループメンバー、国土交通省国土審議会稼げる
国土専門委員会委員などを努める

八田 誠
一般社団法人金沢市観光協会 副理事長 兼 専務理事
金沢市生まれ。立命館大学卒業後、昭和50年(1975年)、金沢市役所入庁。産業局ファッション産業振興室長、都市政策局企画調整課長、市長公室長などを経て、平成25年(2013年)から経済局長を務め、平成29年(2017年)3月に退職後、現職。ユネスコ創造都市ネットワーク・クラフト分野の世界初認定や北陸新幹線開業対策に尽力。

外園 秀光
一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会 DMO推進本部 本部長
1956年生まれ。
長崎県長崎市出身。
長崎大学経済学部を卒業し1980年長崎市役所に入所。
水道局、秘書課、議会事務局、総合企画室等を経て、2002年社団法人長崎国際観光コンベンション協会事務局長として出向。
2008年より長崎市観光総務課長、2009年に長崎市文化観光部次長兼観光総務課長、2012年長崎市国体推進部長、2015年長崎市文化観光部長。長崎市文化観光部では、世界新三大夜景認定(長崎・香港・モナコ)、軍艦島上陸観光の開始の責任者として携わる。
2017年4月より現職。

❹マーケティング①(統計データの活用方法とKPIの設定)>>