~さまざまな連携で実現~「観光教育長崎モデルオンラインセミナー」を開催しました!

  1. ~さまざまな連携で実現~「観光教育長崎モデルオンラインセミナー」を開催しました!

2026年02月19日

人材育成

令和8年2月5日(木)「観光教育長崎モデルオンラインセミナー」開催報告(詳細)

日本観光振興協会は、「~さまざまな連携で実現~ 小学校から大学までを貫く『観光教育長崎モデル』」と題し、
長崎市及び長崎県での観光教育の取組を紹介するオンラインセミナーを令和8年2月5日(木)に開催いたしました。
 
長崎市及び長崎県で観光教育を推進する関係組織の担当者にご登壇いただき、制度設計の背景や連携体制の構築、
運営上の工夫など、他地域でも参考となる具体的な知見をお話しいただきました。
セミナーの最後には、事前に参加者の方々からいただいたご質問に対し、登壇者の方にご回答いただきました。
 
当日は、自治体やDMO、学校関係者など200名近い方にご視聴いただきました。
アーカイブ配信も行っておりますので、ぜひより多くの皆様にご視聴いただき、
自地域での観光教育推進体制の構築にお役立ていただければ幸いです。
 
1.本セミナーの狙い
現在「観光教育」の推進に取り組んでいる皆様や、これから「観光教育」の推進体制を構築しようとお考えの皆様への
参考事例として、市の観光政策課・教育委員会・DMO・大学が連携し、宿泊税を活用して市内の小・中学生への
観光教育を推進している長崎市の取組や、観光事業者と連携し商業高校における実践的な観光教育を展開している
長崎県の取組を紹介します。
 
2.セミナー概要
 ◆セミナータイトル:
  ~さまざまな連携で実現~ 小学校から大学までを貫く「観光教育長崎モデル」
 ◆開催日時:令和8年2月5日(木) 16:00~17:30
 ◆開催形態:オンラインセミナー(Zoomウェビナー) 
 ◆参加対象:自治体(観光主管課・教育委員会)・DMO・観光協会・学校関係者・観光事業者 等、
       その他「観光教育」に関心のある方
 ◆登壇者及びプログラム:
  ・主催者挨拶(日本観光振興協会より)
  ・「観光教育長崎モデル」について
   長崎大学教育学部 准教授 井手 弘人 氏
  ・長崎の観光教育に関する取組事例の紹介
   ①長崎市文化観光部観光政策課 総務企画係長 岩永 浩 氏
   ②長崎市教育委員会学校教育課 主任指導主事 池田 直人 氏
   ③一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会 德永 美保 氏
   ④長崎県教育庁高校教育課 高校魅力化班指導主事 田中 利治 氏
  ・事前に参加者の方々からいただいた質問への回答
 
3.セミナーの内容(講演のポイント)
セミナーでは上記のプログラムに沿って、5名の方にお話しいただきました。
それぞれにお話しいただいた内容をご紹介いたします。
「4」でアーカイブ配信をご案内しておりますので、詳細についてはぜひ動画をご覧ください!
 
①「観光教育長崎モデル」について(長崎大学 井手准教授)
ご自身も小中学生への出前授業に講師として参加されている長崎大学教育学部の井手准教授に
「観光教育長崎モデル」の全体像についてお話しいただきました。

<内容>
・世界的なオーバーツーリズムの問題などを考慮すると、現代においては、「ホスト」と「ゲスト」双方の
 マインドを併せ持つ持続可能な「観光市民」の育成が必要。
・長崎市では、行政(観光部(観光政策課)、教育委員会)、大学、DMOが重層的に機能する先進的な
 エコシステムを構築し、シビックプライドの醸成を基盤とした観光市民の育成を志向する観光教育を
 推進している。
・長崎市の観光教育のシステムデザイン:観光部(稼ぐ力)と教育委員会(育む力)の2つの行政セクション
 が制度的に連携。この両輪をバランスよく回していくためのエンジンがコーディネーター(大学・DMO)の役割。
 教材「を」教えるのではなく、学習材「で」学び、育てるための実践を行っている。さらに、学生サークル
 であるISC(※)の活動として、大学生がメンターの立場で関わることで、世代を超えた学びの循環を生み出している。
 DMOは地域人材や企業を学校につなぐハブとして機能。宿泊税によって活動が支えられていることも大きな
 ポイントである。
・システムを維持していくためには、観光部と教育委員会がwin-winの関係を保つことが重要であり、
 そのバランスを維持するためのモデルデザインについてもご紹介いただきました。
 ※ISC:長崎大学探究学習支援サークル(Interactive Support Center)

 ②長崎市での「観光教育」の推進について
長崎市の観光政策課岩永様、教育委員会池田様、長崎国際観光コンベンション協会(DMO)德永様に、
それぞれのお立場から長崎市の「観光教育」推進の取組についてお話しいただきました。
 
<長崎市観光政策課 岩永様>
・観光人材の高齢化・後継者不足が進んでいる現状を踏まえ、長崎のまちを支える担い手を育成し、地域の活性化を
 図るために、観光教育の推進を始めた。きっかけとなったのは、日本観光振興協会が日本全国で展開している
 出前授業。
・子どもたちに長崎の魅力、市の魅力を再認識させることで、シビックプライドを醸成し、長崎市の未来を考える
 きっかけ作りをしたいと考えている。
・長崎市の総合計画における「キャリア教育の推進」の一環として「観光教育」を位置づけている。
 観光部局と教育委員会の方向性が一致したことで、連携体制の構築が可能になった。
・具体的には長崎市内で観光をテーマとした出前授業を実施。日観振の観光副読本や長崎の観光ガイドブックを教材
 とし、外部講師を招き授業を行っている。子どもたちへの授業後に、地域の方々や教職員を交えての
 意見交換も実施。
・財源は宿泊税を活用。「受入環境整備」の枠に「観光産業人材育成事業」を位置付けている。
・今年度の出前授業を実施した4校について、それぞれの授業の詳細もご紹介いただきました。
 その中の一つである、日吉中学校では、観光PR動画を中学生が作成しました。ぜひご覧ください。
 ◆知らない世界が日吉にある:https://youtu.be/qqoG9xMuVx4
 ◆We Love日吉:https://youtu.be/wT_Y4sHNRQg
 
<長崎市教育委員会 池田様>
・教育委員会では、長崎市版キャリア教育である「未来クル!! 長崎プライド育成プログラム」の中に「観光教育」を
 位置づけている。
・観光は観光そのものだけでなく、歴史や自然、食など様々なところに関連し、多角的に長崎の魅力を学ぶこと
 につながる。また、出前授業では、講師の先生や教材を通して、様々な視点から学ぶことができる。
・観光教育について、具体的な制度設計や運営は観光政策課が担当しており、教育委員会はサポート役的立ち位置
 であるが、それが観光教育を地域内でスムーズに遂行していくためのポイントでもある。
・「長崎市の子どもたちと観光の視点」として、まちづくりアイデアコンテストや長崎市中学生議会の取組を
 取り上げ、長崎市の子どもたちと観光との密接なつながりについてもご紹介いただきました。

<長崎国際観光コンベンション協会(DMO) 德永様>
・長崎市とDMOは、パートナーとして共通のビジョンを持ちながら観光地域づくりに取り組んでいる。
 長崎市がハード面、DMOはソフト面を担当。民間的な発想や手法を活かしながら事業に取り組んでいることが
 特徴である。
・観光教育出前授業における体制の中で、DMOはコーディネーターとして参画している。
・出前授業事業を運営する上で意識した点:主役は学校(児童、生徒)であるため、学校へのヒアリングに
 力を入れた。学校の先生の負担軽減のために、できるだけスムーズな対応を心掛けた。また、既存のカリキュラムに
 どう観光教育を差し込んでいくかも学校の希望を伺い、市や講師と調整を行った。
・観光教育においては、地域の魅力を発見することと、それをどのように外に発信していくかがポイントとなる。
 中学校での出前授業の中で、生徒に「地域の稼ぐ力をどのようにつけていくか」を問いかけたところ、それが
 きっかけとなり、生徒たちの発想が次々に展開されていった。観光でどのように地域を潤すことができるのか、
 という気付きを届けられたのはDMOが民間の視点を持ちながら観光教育に関わっているからだと思う。
・最後に、長崎市の取組に対する今後の関わり方やDMO独自の観光教育に関する展望についても
 ご紹介いただきました。
 
③長崎県の商業高校への「観光ビジネス」科目浸透に向けた取組について
長崎県教育庁高校教育課の田中様より、産学官が連携した商業高校への「観光教育」推進の取組について
お話しいただきました。

<内容>
・連携の肝は産業界、学校、教育委員会(教育庁)、知事部局(観光主幹部署)とのフラットな「対話」である。
 長崎県では、実際に、学校へのヒアリングや、産業界との意見交換、学校での授業見学を行い、対話を通して
 合意形成を図り、観光の連携した取組をスタートさせた。
・「観光ビジネス」の普及・推進においては、「地域にお金を落とすしくみを考え提案できる人材育成を目指す」ことを
 産学官の共通の目標として掲げている。
・モデル校 佐世保商業高校での「観光ビジネス」:3年生の選択科目として実施。授業の7割が外部講師及び外部と
 連携した内容。プロに足を運んでもらい授業を作っていることが特徴。
・長崎県の観光振興課(知事部局)では、県内の商業高校等に対して、「長崎コンシェルジュ」を講師とした特別授業
 の実施や宿泊業の魅力を伝えるための動画制作等を行っている。
・これまで進めてきた事業の実績を踏まえ、まとめとして、学校、産業界、知事部局の連携のカギについても
 お話しいただきました。
 
4.アーカイブ配信
本セミナーはYouTubeにてアーカイブ配信を行っております。以下のURLよりご覧ください。
https://youtu.be/93mOrjo0B8M
 
<問合せ先>
公益社団法人日本観光振興協会 観光地域づくり・人材育成部
E-mail:jinzaisite@nihon-kankou.or.jp