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2024.10.15
【D-NEXT】地域の合意形成を支援
「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
②分析レポートモデル事業がスタート
1.各DMO、日本観光振興協会による二者打合せ
公益社団法人日本観光振興協会は「DestinationNEXT」(以下、「D-NEXT」と記します)を活用した支援事業のモデル地域決定を受けて、事業内容や今後の進め方及び「D-NEXT」を活用して実行したい地域の施策を確認すべく、3つの地域である、公益社団法人姫路観光コンベンションビューロー(以下、「姫路DMO」と記します)を令和6年8月20日、株式会社かづの観光物産公社(以下、「かづのDMO」と記します)を令和6年8月22日、山形県小国町(以下、「小国町」と記します)を8月29日に訪問しました。
まずは当協会から、D-NEXT実施の目的、全体スケジュール(以下参照)や実施方法について説明して、当該事業実施イメージを共有しました。なお、分析レポート版にて実施し、日本観光振興協会が調査結果から地域課題解決につながるポイントを導き出し、レポートとして提示し、実施組織が行う事業の見直しや選定に寄与します。
(1)姫路DMO
まず、日観振より、本事業の目的、実施計画(スケジュール、調査対象者の選定、調査項目)について資料を基に説明し、随時質問に対応した。また、姫路市の観光の現状をまとめた観光カルテ、姫路DMOの皆さんにより理解を深めてもらうため、D-NEXTの特徴やこれまでの実施結果などを説明した。
姫路DMOからは、今回、本調査に申請した理由及び、調査結果をどのように活用したいのか、といった点について説明があった。姫路DMOは昨年度作成観光基本計画(マスタープラン)に対して、本調査結果を鑑みて、必要な施策をマスタープランに落としこみ、本調査で明らかとなる姫路のポジション(日本国内での位置づけ、世界での位置づけ)を明らかにしたいと考えている。また、姫路が目標とするベンチマークを見つけたいので、資源特性、立地特性等が似ており、さらにD-NEXTで高評価を得ている観光地、例えばヨーロッパのお城があるような地域を教えて欲しいとのことであった。
本調査結果を、地域事業者の意識の確認のみならず、ベンチマークを見つけるための指標(あるいはKPI)として活用することを想定しており、高い目的意識をもって本事業に取り組むという姿勢は高く評価できる。実施プロセスも含め新しい展開を期待できる地域であると考える。協会としてもこの動きを積極的に支援するように取り組んでまいりたい。
(2)かづのDMO
かづのDMOは、従来の鹿角市に加え小坂町もそのエリアに加わり、DMO自体が「道の駅かづのあんとらあ」を母体にしており、観光・物産ともに力を入れている。自治体のみならず、商工会を含め、観光・物産ともに多くの事業者と接点があり、道の駅という、地域における強力なフックをもつ強みが他のDMOに比べてある。
特筆すべきは、今回のD-NEXTの実施にDX推進担当のデータ処理にも長けた外部スタッフが協力する体制がとられている点で、さらに、DMO自体も非常に意欲的で、近い将来に策定される、鹿角市の観光基本計画にその結果を何らかの形で活かしていき、盛り込んでいきたいという積極性があり、海外でのD-NEXT実施の仕方に近く、非常に興味深い展開となっている。国立公園(十和田八幡平国立公園)もあり、ユネスコ世界遺産が複数ある(縄文遺跡大湯環状列石群・花輪ばやし・毛馬内盆踊り)観光資源に恵まれた土地という条件が観光地域づくりに活かしきれているかも注目される。
今後は調査対象者のリストの整理、D-NEXT調査テンプレートの確認、追加設問部分の検討をDMO側が行い、当協会からは、参加者募集のひな型、D-NEXT概要とアンケート調査票の英日翻訳チャートを送付することを確認し、打ち合わせを終了した。
(3)小国町
小国町から、以前は半導体の製造工場もあり、地方という立地のわりに比較的潤ってきたが、若年層の都市部への流出が激しく、労働者人口も減少しているとの話があった。現在の町長が観光に対して理解があるので、このD-NEXT事業のアンケートを活用して、合意形成を図り、観光地としての意識づけを図っていきたい。ただ、現状を考慮すると、観光地としての強みは低く評価されそうであり、調査結果がどのようになるのか少し怖いが、D-NEXTの実施を通して、ステークホルダーを増やし、様々な意見を可視化し、町全体としての観光業の発展や理解の促進につながればと考えているとの意見があった。
事業の概要を説明したところ、D-NEXTについてご理解いただけた。調査対象者の選定、調査票の調整など実施準備の作業量と重要性、事業実施後の結果分析を元に戦略を立てることの重要性を理解頂いた。まだ、小国町の観光基本計画がないので、D-NEXTの結果を活かしていきたいとのコメントもあった。
まずは、幅広い関係者とのネットワークづくりが必要であり、地域における合意形成の重要性も理解しており、D-NEXTのモデル事業実施に適した地域と言える。また、小国町は、やまがたアルカディアDMOの構成市町の一つであることが判明したので、DMOとうまく連携していくことも肝要と思われる。