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2023.02.02

地域の合意形成を支援
「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
②分析レポートモデル事業がスタート

1. 各DMO、日本観光振興協会による二者打合せ
 公益社団法人日本観光振興協会は「Destination NEXT」(以下、「D-NEXT」と記します)を活用した支援事業のモデル地域決定を受けて、事業内容や今後の進め方及び「D-NEXT」を活用して実行したい地域の施策を確認すべく、4つのDMOである、あきた白神ツーリズム(以下、「あきた白神DMO」と記します)を9月7日、山陰インバウンド機構(以下、「山陰DMO」と記します)を令和4年9月8日、小樽観光協会(以下、「小樽DMO」と記します)を令和4年9月12日、郡山市観光協会(以下、「郡山DMO」と記します)を令和4年9月13日に訪問しました。
 まずは当協会から、D-NEXT実施の目的、全体スケジュール(以下参照)や実施方法について説明して、当該事業実施イメージを共有しました。なお、分析レポート版は今年度から新しく導入する形式であり、日本観光振興協会が調査結果から地域課題解決につながるポイントを導き出し、レポートとして提示し、実施組織が行う事業の見直しや選定に寄与します。

全体スケジュール

(1)あきた白神DMO
 あきた白神DMOは秋田県北部の1市3町(能代市、八峰町、藤里町、三種町)をマネジメントするDMOとして、各エリアの特性を活かしたコンテンツ開発や情報発信に取り組むためのコーディネーターとしての役割を掲げています。しかしながら、いわゆる観光地としての地域内外からの認知が不足しており、また住民と観光客が接する機会もほとんどありません。
 DMO設立から3年がたち、直接事業で関わる事業者等においては、観光とりわけインバウンドに対する意識が上がってきているといいます。しかし、観光と関わりが薄いステークホルダーについては、観光が重要との認識をまだ十分に共有できているとは思えない状況があります。
 今回のこの事業を通して、各ステークホルダーの現在地を明確にすることで、今後向かうべき在り方や取り組むべき内容について地域で共有し、これまで以上に同じ方向・認識で来るべきインバウンド再開に、地域一体となって取り組んでいくきっかけとしたいと考えています。
 今回の調査を行うことによって、今まで関わりのなかった方々へのアプローチ等も期待され、現状の見える化や課題の原因となっている事項の明確化を行うことができると考え、これらを再度、地域へとフィードバックすることで、地域観光に対する理解促進と意識向上を図ることが出来ると考えています。
 加えて、当協会からは観光以外の他産業の方々にも、アンケート調査に参加いただき、観光の意義や地域経済への波及効果を理解してもらうことが重要であると述べました。

(2)山陰DMO
 山陰DMOは、鳥取県・島根県をマネジメントエリアとする広域連携DMOであり、広域エリアを対象として調査を行うのは今回が初めてとなります。調査項目が広域エリアになじまないのではないか、という懸念がありましたが、地域の人材育成、事業者育成という観点から実施している事業もあり、地域観光振興組織や事業者とともに事業に取り組まれていることから、今回の調査結果を今後の事業実施内容等に活用していただけるものと期待して調査を行うこととしました。
 本調査には、マネジメントエリアを思い浮かべて回答する質問項目があるため、回答者には、山陰エリア全体を考えながら回答していただくことになります。しかし回答者は「山陰エリア」全体としてではなく、自身の身近な地域を思い浮かべて回答するのではないか、といった懸念がありました。この点については、身近な地域を想定して得た回答であっても、回答者が特別な地域に偏らなければ、回答の集積が結果として山陰全体の評価と見做すことができることから、基本的に「山陰エリア」全体の質問として設定することとなりました。
 続いて、今後の地域分析で必要となる事柄、①インターネット通信環境、②新型コロナ感染状況についての情報更新、③バリアフリー対応、④今後新たにスタートする事業等についてヒアリングを行いました。同機構の福井代表理事からは、インバウンド客の山陰エリアへの周遊滞在を促すための山陰デジタルパス事業について説明がありました。インバウンド観光を両県で推進する産業として捉え、インバウンドに携わる関係者を増やしていくことが重要である、設立7年が経過したがオール山陰で取り組むことにより見えてきた課題を、本調査結果を参考としつつ、事業者とともに解決していきたい、との考えをうかがいました。
 今後は調査対象者のリストの整理、D-NEXT調査テンプレートの確認、具体的な調査期間の設定を行うこととなりました。 

(3)小樽DMO
 小樽DMOからは、調査対象者の声がけ範囲の確認、回答者リストの提供依頼、属性シートにある産業・業種名はなじみがないための修正依頼などがありました。声がけ範囲については、1部署から回答をたくさん集めて偏ってしまうよりも、部署を代表する立場からの回答を、複数部署から集めることが重要であることをお伝えしました。またオーナーと運営会社などの場合は立場が異なるので、それぞれから回答を得ることが望ましいということを説明しました。
 続いて、今後の地域分析で必要となる事柄、①インターネット通信環境、②新型コロナ感染状況についての情報更新、③バリアフリー対応、④今後新たにスタートする事業等についてヒアリングを行いました。
 小樽市は、元来、港湾を中心とした商業都市であり、観光が盛んになってまだ30年あまりと歴史が浅い観光地です。現在の小樽市の財政は厳しく、観光で経済が潤うのか、事業者等が観光産業やDMOの活動をどのように捉えているか、財源不足をどのように受け止めているかを把握するために本調査を行いたいとのことでした。特に宿泊施設や観光事業者には市外の企業経営者がオーナーであるケースもみられ、回答確保には時間と工夫が重要と思われます。小樽DMOからは、調査期間中、回答状況を把握したいという要望があり、MMGY Next Factor社に確認の上、返答することとなりました。
 今後は調査対象者のリストの整理、D-NEXT調査テンプレートの確認、具体的な調査期間の設定を行うことで打ち合わせを終了しました。

(4)郡山DMO
 郡山DMOより地域の特徴や観光施設についての紹介とD-NEXTを通して明らかにしたい課題点が共有され、調査結果を活かし、地域のステークホルダーや住民の満足度向上の為に、合意形成を図っていきたいと話がありました。郡山市は福島県人口の1/3を占め(約33万人)17市町村が連携しています。また、東北観光の玄関口と呼ばれる交通の要衝でもあり、都市機能が集積し、コンベンション施設が充実しており大規模なイベント等も数多く開催されることから、ビジネスや観光目的で全国から多くの方が訪れています。しかしながら、郡山市の課題感として、他の観光地域へと向かう経由地でもあることから、観光客の滞在時間の短さ、出張等の一人旅が多く消費額が増えないことなどが挙げられるとの説明がありました。
 最後に、今回D-NEXTに応募した理由として、地域の観光関連事業者のみならず地域全体での観光に関する期待度を知ることで、どこに力を入れるべきか、何が課題なのかを認識した上で今後、地域DMOとして取り組んでいくことを相互で確認し、打ち合わせを終了しました。