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2021.03.16

【D-NEXT】地域の合意形成を支援
「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
⑤秩父DMOにおけるワークショップ1の実施方法の検討


 今回は、(一社)秩父地域おもてなし観光公社(以下、「秩父DMO」といいます。)で行ったワークショップ1(アンケート調査及びリアルタイムでの調査結果の共有)実施方法の検討、策定についてご紹介いたします。
 以下はNEXT FACTOR社が行っているワークショップ1の基本的なフレームワークです。こちらをもとに、秩父DMOの状況に合ったワークショップ1の開催方法を検討するため、秩父DMO、NEXT FACTOR社、当協会の3者で打ち合わせを行いました。


 秩父DMOはワークショップ1の開催方法として、D-NEXT事業実施の目的を主要な参加者の方にご理解頂くため、会場に集まっていただく方法を選択し、感染症対策として最大1,000人を収容できる大ホールを会場として用意しました。秩父DMOの想定参加人数である最大300人であれば、十分なソーシャルディスタンスを保ってワークショップ1を実施することができます。
 日程は1月14日~15日の2日間を予定していた為、12月23日にNEXT FACTOR社との3者打合せを兼ねたZoom機能、Wifiを介在させた接続テストを行いました。
 接続テストは会場となる秩父宮記念市民会館と皆野町文化会館の2か所とカナダのNEXT FACTOR社、日本観光振興協会をZoomでつないで行いました。両会場共に通信や音声の点は問題なく、会話もスムーズにすることができました。まずはNEXT FACTOR社よりアンケート調査を行うための「Mentiシステム」を起動して、スクリーンへの表示の状況を確認したところ、皆野町文化会館において文字が見づらかったので、照明を調整した結果、改善しました。
 当日のワークショップ1において、冒頭のD-NEXTの概要説明は基本的に秩父DMOが行うことに決まりました。本来であればNEXT FACTOR社より説明いただくところですが、今回はオンラインで繋いだ状態での実施のため、参加者が内容を的確に理解することを優先することとし、会場で秩父DMOから説明することになりました。ただし、アンケート調査については設問の回答結果が出るごとに、NEXT FACTOR社から簡単な分析とアドバイスをいただき、参加者にリアルタイムで結果を伝えることを重視しました。
 また、当日会場の参加者はQRコード等にて「Mentiシステム」にログインを行い、基本的にオンラインで回答をしましたが、オンラインでの回答が難しい方には紙でもご回答いただけるよう、地域の状況に配慮しました。
 さらに、ワークショップ1の1週間前には、役割分担を再確認し進行の最終確認を行うため、再度3者で打ち合わせを行う予定としておりましたが、NEXT FACTOR社のアンケート調査票の最終確認等の確認が間に合わず、実施することができませんでした。次年度はこのような状況を考慮し、ワークショップ1の実施前には必ず進行確認の最終打合せの3者ミーティングを行う機会を設けたいと考えております。

【D-NEXT】地域の合意形成を支援
「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
⑥秩父DMOにおけるワークショップ1の開催報告

 秩父地域おもてなし観光公社(以下、「秩父DMO」といいます。)は、このアンケート調査を通じて観光関連事業者のみならず、他産業の事業者や各市町行政機関を含めた、幅広い関係者の方に「秩父の観光発展についての意識」と「地域内での協力関係」を伺い、その調査結果を共有しながら、今後の観光地域づくり戦略に活用するとともに、より地域の皆様の満足度向上につながる施策に役立てるために以下の通りD-NEXTのワークショップ1を実施しました。

1.実施概要
実施日 2021年1月14日~15日(2日間) 9:00~11:00
会場

14日 秩父宮記念市民会館
15日 皆野町文化会館

参加人数

14日 39名
15日 20名


2. ワークショップ1の全体スケジュールおよび実施方法
(1) DMOから開会挨拶、D-NEXTの概要及び実施に至った経緯の説明
(2) NEXT FACTOR社、ジョーダン氏からの自己紹介
(3) アンケート調査第1部(観光地域の強みについて)
  ① NEXT FACTOR社は参加者がアンケート調査に参加するためのQRコード及びURLを表示   →参加者がログイン(紙での回答も可能)
  ② NEXT FACTOR社は日本語の設問を表示→DMO側が質問の意図等を説明
  ③ 参加者が回答
  ④ NEXT FACTOR社が集計結果をスクリーンに表示しコメント→DMO側が逐次通訳
  ⑤ 次の設問へ(繰り返し)
(4) 休憩
(5) アンケート調査第2部(観光地域の連携について)
流れは(3)アンケート調査第1部と同様
(6) 全ての調査終了後、NEXT FACTORから総括コメント
(7) DMOから閉会挨拶

3. ワークショップ1の具体的な内容
(1)秩父DMOの事業とD-NEXT実施に至った経緯について
 まずは秩父DMOの井上事務局長から、同DMOの実施事業の内容や今回のD-NEXT実施趣旨等について説明いただきました。観光地域づくりにおいては、従来の経験や思い込みによる判断をするのではなく、客観的に現状を把握し判断するためのデータが必要だということ等をお話しいただきました。また、そのデータの中身については、旅行者(外)に関するデータと、地域の事業者や行政(中)に関するデータ2種類の両方があることが重要だと述べた上で、(外)に当たる旅行者に対しては秩父DMOで以前よりアンケートを実施していることを説明しました。そこで今回、(中)に当たる地域の事業者や行政に対して、このD-NEXTを活用しデータを集めることで、地域の観光に関する現状を可視化、分析し、今後の観光戦略を考慮する一助としたいと考えている旨、お話しいただきました。

(2)D-NEXTを活用したアンケート調査の実施
 まずはNEXT FACTOR社(以下、NF社と記します)のジョーダン氏から参加者に、アンケートを行うサイトMentiシステムへのログインをお願いし、オンライン上での回答が難しい方には紙での回答をお願いしました。最初はログインや、回答方法に戸惑い質問される方もいらっしゃいましたが設問が5つほど進むと全体的にスムーズに進行できるようになりました。ただ、「観光の強み」や「地域連携」の各10個の変数を順位付けする設問では、1位から10位まで順位づけをしてから一括で送信するところを途中までしか選択せずに送信し、次に進んでしまった方もいらっしゃった為、ワークショップ1の2日目にはその設問に関する回答方法を丁寧に説明しました。
 進行は両日ともに上記「ワークショップ1の全体スケジュール及び実施方法」に沿って進められました。司会の方のスムーズな進行により、1時間ほどで前半が終了し、10分の休憩をはさみ、後半も1時間ほど調査を行い、11時に無事終了しました。

(3)工夫された点について
・今回は密にならないよう収容人数の多い広い会場を押さえていただき、席の間隔を空け常時換気を行うなど、感染対策を徹底し実施しました。
・運営に関しては特に司会者の円滑な進行とともに、ジョーダン氏や参加者への積極的な声掛けのほか、参加者のスマホ操作をサポートする職員の配置や、通訳は2名の英語ガイドで対応することにより、スムーズで確実な運営につながりました。秩父DMOは本ワークショップのメリットを効果的に参加者に伝えることを意識して運営をしており、例えば、NEXTFACTOR社がカナダからリアルタイムで参加していることを強調し簡単な挨拶をジョーダン氏とZoom上で交わし、回答したアンケートの結果がすぐ目の前のスクリーンに表示されることを参加者に伝えるなど工夫されていました。また、ワークショップ1開始時や終了時にNF社に会場内の様子を見せ、参加者に手を振ってもらうことで、全体の雰囲気は終始良く一体感があり、参加者はD-NEXTワークショップ1の醍醐味を大いに感じられたのではないかと思います。
・リアルタイムでアンケート調査結果が見られることは参加者に好評で、「今日参加した方々の口コミで協力者が増え、アンケート調査回答数が伸びれば良いと考えている」と井上事務局長はおっしゃっていました。
・今後はワークショップ1に参加いただけなかった方々にアンケート調査リンクや紙の調査票をお送りし、回答依頼を行っていく予定です。行政や通常の観光事業者のみならず、農業や造り酒屋等の幅広い業種の方々にお答えいただくことで、多様性のある、より正確な地域の実情を把握することを目指します。

■ワークショップ1の様子
・会場の様子
会場の様子

・アンケート調査画面
アンケート調査画面