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2021.03.16

【D-NEXT】地域の合意形成を支援
「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
⑤佐渡DMOにおけるワークショップ1の実施方法の検討


 今回は、佐渡観光交流機構(以下、「佐渡DMO」といいます)で行ったワークショップ1(アンケート調査及びリアルタイムでの結果の共有)実施方法の検討、策定についてご紹介いたします。
 以下はNEXT FACTOR社が行っているワークショップ1の基本的な枠組みです。こちらをもとに、佐渡DMOの状況に合わせたワークショップ1の開催方法を検討するため、佐渡DMO、NEXT FACTOR社、当協会の3者で打ち合わせを行いました。


 昨今のコロナ感染症の状況を鑑みて、リモートも検討しましたが、最終的に地域の状況を考慮して、佐渡DMOはワークショップ1の開催方法としては、今回のアンケート調査の目的や佐渡DMOの果たす役割を的確に理解頂くために、参加者の方に会場に集まっていただくこととなりました。感染症対策をしっかりと行った上で、マリンプラザ小木、あいぽーと佐渡、金井コミュニティセンターの3箇所で3日間に渡り開催することで、より多くの事業者の方に参加していただけるよう調整しました。
 日程は1月19日~21日の3日間を予定していた為、12月8日にNEXT FACTOR社との3者打合せを兼ねたNEXT FACTOR社とのZoom機能、Wifiを介在したシステム接続テストを行い、1月12日には3者でのワークショップ1開催前の役割分担を含めた最終確認を行いました。
 接続テストは実際の会場となる、あいぽーと佐渡及び金井コミュニティセンターで、NEXT FACTOR社、日本観光振興協会をZoomでつないで行いました。あいぽーと佐渡に関しては通信や音声に問題はありませんでしたが、金井コミュニティセンターについては通信設備が整っておらず、キャリーバッグWifiをレンタルして実施することとなりました。キャリーバッグWifiは30分毎に一度接続が切れてしまうため、NEXT FACTOR社にアンケートシステムに支障があるか確認をしたところ、データ保存されるので問題ないとのことでした。
 当日のワークショップ1において、D-NEXTの概要説明は佐渡DMOが行うことに決まりました。本来であればNEXT FACTOR社より説明いただくところですが、今回はオンラインで繋いだ状態での実施のため、参加者が内容を的確に理解することを優先することとし、会場で佐渡DMOから説明することになりました。但し、アンケート調査については設問の回答結果が出るごとに、NEXT FACTOR社から簡単な分析とアドバイスをいただき、参加者にリアルタイムで結果を伝えることを重視しました。
 また、当日会場の参加者はQRコード等にて「Mentiシステム」にログインを行い、基本的にオンラインで回答をしましたが、端末等を持っていない方を想定して紙でもご回答いただけるよう、地域の状況に配慮しました。

⑥佐渡DMOにおけるワークショップ1の開催報告

 佐渡DMOはこのアンケート調査の中で観光関連事業者のみならず、他産業の事業者や各市町行政機関を含めた、幅広い関係者の方に「佐渡の観光発展についての意識」と「地域内での協力関係」をお伺いしました。その調査結果を皆様と共有しながら、今後の観光地域づくり戦略に活用するとともに、より地域の観光事業等に関わる方々の満足度向上につながる施策に役立てる為にワークショップ1を実施いたしました。

1.実施概要
実施日 2021年1月19~21日(3日間)9:30~12:00
会場

19日 マリンプラザ小木
20日 あいぽーと佐渡

21日 金井コミュニティセンター
参加人数

19日 15名
20日 17名

21日 31名

2. ワークショップ1の全体スケジュールおよび実施方法
(1) DMOから開会挨拶、D-Nextの概要及び実施に至った経緯の説明
(2) NEXT FACTOR社・ジョーダン氏から自己紹介
(3) アンケート調査第1部(観光地域の強みについて)
  ① NEXT FACTOR社は参加者がアンケート調査に参加するためのQRコード及びURLを表示
  →参加者がログイン(紙での回答も可能)
  ② NEXT FACTOR社は日本語の設問を表示→DMO側が質問の意図等を説明
  ③ 参加者が回答
  ④ NEXT FACTOR社が集計結果をスクリーンに表示しコメントし、DMO側が逐次通訳
  ⑤ 次の設問へ(繰り返し)
(4) 休憩
(5) アンケート調査第2部(観光地域の連携について) 流れは(3)アンケート調査第1部と同様
(6) 全ての調査終了後、NEXT FACTORから総括コメント
(7) DMOから閉会挨拶

3. ワークショップ1の具体的な内容
(1)佐渡観光の現状とD-NEXT事業実施の目的について
 まず、佐渡観光交流機構の加藤常務理事より、多様な資源を活用する効果的な方策が打ち出せていない佐渡観光の現状についてご説明いただきました。その後、新たな観光施策やSDG’sを推進するためには合意形成が重要となってくることをお話いただきました。
 今回、D-NEXTを実施することによって、地域関係者の意識の相違を明らかにし、合意形成促進に向けた材料を得て、観光事業計画策定に活かすことを参加者に説明しました。
 また、日本観光振興協会の支援のもと、行政を含む幅広い事業者向けのアンケート調査を実施することで、佐渡の現状を可視化したい旨を伝えていただきました。

(2)D-NEXTを活用したアンケート調査の実施
 Next Factor社(以下、NF社といいます)のジョーダン氏主導のもと、参加者に対してアンケート調査を実施し、回答した結果が点数(5点満点)と標準偏差の形状でリアルタイムに画面表示されるため、参加者自身の回答が他の参加者の回答とどれだけ差異があるかどうかを即座に確認することができました。なお、ジョーダン氏がそれぞれの設問の回答結果についてコメントした後の逐次通訳については佐渡観光交流機構職員が務めました。
 1日目は司会進行と通訳の役割分担が不明確であり、NF社とのコミュニケーションも不足していた為、全体の進行に少し問題がありました。また、スクリーンが小さい為、参加者からアンケート結果が見えない等の問題が発生しました。休憩後の微調整として、すぐに司会進行と通訳の役割分担をより明確にし、アンケートの実施方法についてはNF社から結果表示及びコメント、佐渡DMOが逐次通訳という流れを作ることで参加者が内容を理解しやすくなりました。もう一つのスクリーン問題については、手元で設問が確認できるように紙のアンケート用紙を参加者に配布することで解決しました。
 2日目及び3日目は、司会進行と通訳の役割分担が明確となり、1日目の反省点をしっかりと活かして、司会も随時、アンケート調査の設問意図を説明する等、2日目及び3日目のアンケート調査は大きく改善しました。佐渡DMOのスタッフも前日の経験から、参加者がつまずく部分も把握していたので、会場で自ら声掛けを行うことで、スムーズに進行しました。また、スクリーンも大きかったので、アンケート結果を参加者が容易に見ることができました。

(3)工夫された点や日観振からのコメント
・ワークショップを進行するにあたり、ZOOMを利用して遠隔地からアンケート調査を実施した為、NF社との役割分担も含めたコミュニケーションや会場との一体感を図ることが重要となりました。NF社の紹介を冒頭で行い、会場の様子をPCの画面を通じてNF社に見せて、参加者から手を振ってもらう等の工夫をしました。
・リモートでのアンケート調査という初めての試みの為、参加者への操作説明や回答に時間がかかってしまうことがあり、その状況をNF社へ説明することで、一体感のあるワークショップとなりました。
・参加者が結果をリアルタイムで確認できることが当ワークショップの醍醐味ですが、参加者が見るアンケート結果が十分に見える大きさのスクリーンを用意することが大切です。佐渡DMOではスクリーンの小さい会場では、紙のアンケートを配布して、口頭で補足説明をしながら進行を行いました。
・5段階評価をする項目では「5」がポジティブな結果とならなければなりませんが、逆にネガティブな結果となっていた設問があったため、事前のチェックが大切だと感じました。
・地域の強みや地域連携の10個の変数を順位付けする設問や複数回答する設問については、初めての参加者にとって、設問内容や選択方法が難しいと思われるので、分かりやすく、丁寧に説明することで、回答が容易となります。

(4) ワークショップ1の様子

会場の様子
会場の様子

アンケート結果画面
アンケート結果画面