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2020.11.30

【D-NEXT】地域の合意形成を支援
「Destination-NEXTを活用した観光地域診断」
①事業の概要


公益社団法人日本観光振興協会では、多くの観光地域づくり(候補)法人(DMO)に共通する課題である合意形成を促進支援する観光地域診断ツール、「Destination NEXT(以下、「D-NEXT」(*1)といいます)」を活用したモデル事業を令和2年度事業として実施することとなりました。
 令和2年7月31日~8月31日まで支援対象地域の公募を行い、当協会内での書類審査の結果、2団体(一般社団法人秩父地域おもてなし観光公社、一般社団法人佐渡観光交流機構)を支援することを決定しました。
 「D-NEXT」とは米国DMO統括団体の財団であるDestinations International Foundationの支援を受け、NEXT FACTOR社が開発した地域の合意形成を促進支援する観光地域診断ツールです。診断は、その地域の行政や地域関係者(議員、住民組織等)、事業者(ステークホルダー)を対象に実施する、約200項目からなるアンケート調査結果を元に行うもので、地域のポジションとして可視化されます。
 調査結果は、「Destination Strength(デスティネーションのもつ強み)」と「Community Alignment(コミュニティの連携)」の二つの観点から分割された4象限に分類されます。各象限にはそれぞれシナリオモデル-①確立した観光地であり地域連携が強い「先駆者」、②開発途上の観光地であり地域連携が弱い「探検者」、③開発途上の観光地であるが地域連携は強い「航海者」、④確立した観光地であるが地域連携が弱い「登山家」-が設定されています。自分たちの地域がどのモデルに該当するか、調査結果から客観的に診断・評価することができます。さらに、ステークホルダー毎にも集計されるので、例えば宿泊事業者が重視していることと飲食事業者が重視していることの相違なども明らかとなります。
 また、「D-NEXT」は、世界の観光トレンドと戦略を分析した「Future Study(*2)」を加味したシナリオモデルを導き出しているため、世界の観光動向を踏まえた改良点を見つけることが可能となります。
 このように、「D-NEXT」では、アンケート調査結果から、地域内の意識の同意・相違をあぶりだすとともに、世界の潮流も視野に入れて今後地域が進むべき方向を提示します。これらの結果は、地域において、これまで策定した観光戦略の見直しや改善、新たな観光振興計画の立案などに役立つとともに、その過程において、地域内の関係者(行政、観光事業者、議員等)の合意形成を促進するのです。

(*1):NEXT FACTOR社は既に世界の11か国、200以上の地域・団体において「シナリオモデル」を実施し、その内訳はUSA、カナダ、メキシコ、スイス、コロンビア、韓国、グアテマラ、台湾、デンマーク、ブラジル、オーストラリアとなっており、日本では唯一秋田県の一般社団法人秋田犬ツーリズムが実施しています。
(*2):「Future Study」とは米国DMO統括団体、Destinations Internationalが世界の55か国・520の地域及び観光事業者へアンケート調査を行い、その地域・団体における観光トレンドと戦略をあぶりだし、世界的な傾向を把握します(2014,2017,2019年実施)。ちなみに2019年度のトレンドは観光地域の管理、地域の連携、デジタルコンバージョンが選択されました。

シナリオモデル

評価項目デスティネーションの強さの項目

コミュニティの連携の項目